
世界キャッチボールプロジェクト、400名で繋いだ想い!
4月上旬に大阪市の大阪・関西万博会場内にある大屋根リング上で行われた世界キャッチボールプロジェクトにエスエスケイは協賛。世界70の国と地域から集まった人々が、国境を越えて繋がることを目的に実施。45分をかけて、約2kmの輪が400名のキャッチボールで繋がった。
幸せの色が繋がる交流会
キャッチボールイベントはセレモニーが16時半頃から大屋根リングで行われ、キャッチボール自体は17時過ぎにスタート。しかし、この日は朝10時過ぎから、万博会場近くのATCホールでキャッチボールイベント参加者による交流会が行われた。キャッチボールだけでは足りないと企画され、年齢・性別・国籍が異なる4-5人がチームになって、幸せの形などをテーマにディスカッション。
30代の孫と娘、3世代で参加したという日本人女性は、「孫より若いお兄さんが熱心に話を聞いてくれ、勇気を出して来てよかった。この会場を家に持って帰りたいくらい」と喜ぶと、マケドニアの男性は、「スポーツは違いがある人を繋ぐし、一緒にすることで友だちになれる。日本の若者と意見交換をできるいい機会になった」と話した。
ミクロネシアからの留学生は、「日本軍が駐留していたことから、日本の文化が根付いていて、今もベースボールではなく、ヤキュウと呼んでいる」と説明。キャッチボールを通じて、歴史について考えるきっかけも生まれた。
ヒジャブを巻いたインドネシアの女性は、「初めてのキャッチボールで緊張するけど、ディスカッションでの相互交流が楽しい」とし、東京の大学に留学しているロシアの女性は、「新しい出会いには刺激があり、今回もケニアで活動をしている人の話を聞いて前向きな気持ちになれた」と語った。2時間ほどの交流でコミュニケーションが促進されたことで、「それぞれの幸せを認め合いながら、がんばって生きていける」という前向きな雰囲気が醸成された。
キャッチボールで世界が繋がる
今回のプロジェクトの代表は、武蔵野大学の大武優斗さん。コロナ禍により2020年夏の甲子園大会がなくなった世代で、3年後の2023年、『あの夏を取り戻せプロジェクト』で甲子園での代替イベントを実現させた。
今回は、「国や人種、宗教の壁を越えて、非言語コミュニケーションの力を持つキャッチボールを通じて、世界中の人々が理解し合い、尊重し合う文化を広めたい」とその考えを象徴するような大阪・関西万博会場内にある大屋根リングでのキャッチボールを企画した。
第1投目は経済産業副大臣兼内閣府副大臣の古賀友一郎氏。「辛い経験をバネにして大きな大会に繋げていただいた素晴らしいプロジェクト」と宣言し、ボールを投げると、その後、70の国と地域の400名超がボールを繋いだ。
エンタメ要素も盛り込まれたキャッチボール
キャッチボールに伴走して、大阪府立淀川工科高等学校吹奏楽部が『ヤングマン』や『幸せなら手をたたこう』で盛り上げた。高嶺のなでしこのメンバーが並ぶゾーンでは、ヒット曲『可愛くてごめん』を演奏。キャッチボールは一時中断、メンバーが楽曲の振り付けを踊り、大屋根リングは瞬間的にアリーナ会場に。
また、アオイヤマダさんは、「誰かと何かを話したいけど、できなかったときにダンスと出会い、ダンスを通じて人とコミュニケーションができるようになった。今回のキャッチボールも同じ。点と点が繋がった」とダンスパフォーマンスを行いながらキャッチボールをするなど、エンタメ要素も盛り込まれたイベントに。
2018年大阪桐蔭高校で春夏連覇を達成し、日本ハムファイターズに入団した柿木蓮さんは、2024年をもって現役を引退。今回のイベントに参加し、「何年野球をやってもキャッチボールって大事で、コミュニケーションが取れるもの。僕が初めてキャッチボールをした時の喜びや投げていた時の気持ち良さ、そういう感覚が初めてキャッチボールする人でも得られます。今日のイベントは、言葉が通じなくてもキャッチボールで繋がれる。笑顔が目立つのが素晴らしいですね」と話し、ボールを投げた小学生とはグータッチで成功を喜んだ。
400名で繋いだボールと想い
400名超が繋いできたボールは、イベント企画者である大武優斗さんが元ヤクルトスワローズの古田敦也さんに投げてフィナーレ。大武さんは、「僕たちはコロナで分断された世代。言語を使わないコミュニケーションであるキャッチボールを使って世界を繋げたいと思った。いろんな方々が繋がって笑顔で終われたのはとてもよかった。相手のことを考え、相手が言っていることをしっかり受け止めるということがキャッチボールから学べた」と振り返った。
マリ共和国出身で京都精華大学の学長も務めたウサビ・サコさんは、「野球をやったことのない人たちが、今日初めてグラブをつけてキャッチボールをした。簡単なように見えるけど、相手と目を合わせたり、波長が合ったりすることが必要。そんな中でみんなが繋がることができた」と喜んだ。
エスエスケイの代表取締役社長の佐々木恭一は、「キャッチボールが言語の壁を越える、という想いで実施されたイベントですが、私たちSSKも2015年よりプロ野球選手会とキャッチボールクラシックで相手を思いやって投げるキャッチボールを伝えています。今回、あらためてキャッチボールの良さを実感しました。素晴らしいイベントをありがとうございました」と話した。SSKでは、今後もキャッチボールを通じた取り組みを推進していく。